ブログサイトのAMP対応をやめた話
2018年に管理しているブログサイトでモバイルファーストインデックスが適用され、WebサイトのAMP対応はもはや避けられないことと思い、2年近く、AMPに対応したページを公開してきましたが、このほど、AMPの対応をやめることにしました。
目次
- AMPとは
- 制限について
- メリット、デメリット
- AMP対応をやめた理由
- 非AMPページでAMPコンポーネントの利用
AMPとは
制限について
モバイルページをAMPに対応させるには、AMPのガイドラインに沿った構成でHTMLを作成する必要があり、やってみた人には分かりますが、その制限がかなり厳しく設定されています。
メジャーなところではJavaScriptが使えなかったり、CSSは75KBまでだったり(ちょっと前までは50KB以下)など。JavaScriptが使えないということはjQueryや関連したプラグインが使えないということで、そういったライブラリを使っているサイトの場合、AMP用に構成を見直す必要があります。
こういった制限があるので、AMPでリッチなコンテンツを作る場合、代替として用意されているAMP用のコンポーネントを利用するようになります。
AMPコンポーネントは最初の頃は種類や使い方を掲載している記事が少なく、利用するのが躊躇われるものでしたが、最近ではそういった懸念はなくなっています。ただし、jQueryを使った処理のように自分で細かく処理を書けるわけではないので、なにができて、なにができないのか、というのを事前に知っておくことが重要で、これをおざなりにして、とりあえずやってみるレベルで始めると、設計の見直しが頻繁に発生します。
なお、GoogleAnalyticsやAdsenseといったものでもAMPコンポーネントで実装する必要があるので、AMPページを作成する場合は実質、必要不可欠なものとなります。
メリット、デメリット
では、そうまでしてAMPに対応したことで得られるメリットはなんなのか、というと、2年間ブログサイトをAMPに対応してきた身としてハッキリ言うと、「ない」というのが個人的な意見です。
もちろんAMPに対応させたことでユーザーがページを表示した際に高速で表示され、それが直帰率や滞在時間に繋がるというのはありますが、AMPに対応したことで、Googleの検索結果で上位に表示されるとか、ページビューが劇的に増えるといったようなことはなく、AMPはあくまでページを高速で表示させるための仕組みであり、対応することで何かしらの特典があるわけではないので、低品質なコンテンツはAMPに対応させても低品質であることに変わりはありません。
むしろデメリットの方が大きく、AMPは制限が多いので、既存サイトの場合は構成の見直しが必要であり、新規サイトの場合であってもAMPコンポーネントの種類や使い方を覚えなければいけないので、学習コストがそれなりに高いです。
また、AMPページは登録されるとGoogleのドメインから公開されるようになるため、これを意識した作りにしないと、AMPコンポーネントで呼び出しているドメインがCORSに対応してなかったり、リンクを相対パスで記述していたりすると、エラーや意図しない動作になって、結果的にユーザーが離れていく原因にもなってしまいます。
これを回避するためには、通常ページと同程度のテストをAMPページでも行わなければならず、きちんとやるとなると、製造や管理が煩雑になりがちです。
唯一、AMP対応で得られたものがあるとすれば、公開するファイルの構成やサイズに注意するようになった、ということでしょうか。とくにJSONデータや画像ファイルのサイズ、それにCSSの記述の仕方などは気を付けるようになったので、そういった意識付けはAMPに対応したことで植え付けられました。GoogleはAMPを推進しているとはいえ、将来的にマストになるという感じでもないので、こういった意識付けが一番の目的のような気もします。
ちなみに、Googleの検索結果で表示されるAMPマークですが、このマークがあるからと言って、他のページよりも優先してそのページを表示するといった行動を私はとったことがありません。私がしなかったということは、他の人も大半はしない、ということで、ページを開くかどうかはどちらかといえばタイトル次第なので、AMP対応で四苦八苦するよりは、タイトルの見え方などを意識する方が有意義だと思います。
AMP対応をやめた理由
メリット・デメリットで全部書いた気がしますが、私がAMPの対応をやめた理由をまとめると、かけたコスト分のメリットがない、ということになります。
一度、対応した後も、なにかしら機能を追加する場合にはAMPを意識しなければならず、最近は足枷のように感じてしまっていたことも大きいです。
もちろんメジャーなサイトであれば、それが収益に繋がることもあるのでAMPに対応してもいいと思いますが、個人の場合は、メリットが薄い分、他のことに時間を割いた方が効率的です。
非AMPページでAMPコンポーネントの利用
そんなわけでAMPページは作成しないようにしましたが、AMPコンポーネントについては、非AMPページであっても利用することができるので、これまで通りに使っています。
AMPコンポーネントは非同期で実行されるパーツで、簡単なものなら、jQueryやその他のライブラリを使って独自に作るよりも、AMPコンポーネントで実装した方が手っ取り早く、非AMPページ(HTMLタグにAMPマークなし)であれば、制限にひっかかってエラーが出るといったこともありません。
モバイルページで重要なのはページをAMPに対応させることではなく、非同期処理(AMPコンポーネント)で、ページアクセス時のレンダリングをブロックしないように作る、ということだと思います。